会社のために働くエンジニアはごく少数

ベトナム人は会社のため、会社のミッションに共感して働くエンジニアはほとんどいない。どんなに福利厚生を充実させても、どんなに働く環境を改善しても、会社のために働く当事者意識をもった人材は希である。そのため、経営者は、最初から彼らに合わせた管理手法を作るのではなく、試用期間で人物像と仕事のパフォーマンスをしっかり見定め、少しでも成果と成長性が見えるのあれば残ってもらえば良い。特にIT業界はエンジニア売り手市場のため、少しでも高い給与を払う会社を見つければ、すぐに転職するのが通例だ。

そういった事情を配慮して、経営者は遠慮せずにどんどん自分のやりたい管理方法でコントロールすれば、いずれは会社に共感し、会社のために働く人材が少しずつ頭角を表す。

ただし、最低限、ベトナム文化を配慮した運営方法をやっておくというのが前提条件となる。

特にキーマンとなってもらいたい人材は、一定の条件を付与して1年間は退職しないなど、特定条件を付けることも可能だ。彼らは1度契約を締結すると、実直に遵守する傾向にある。逆に会社のルールを破るもの、人事総務に難癖を付けるもの、SNSで会社に対する不平、不満を垂れ流すものは要注意である。特にシニアレベルのエンジニアに多い。


誤解を恐れずに言うと、ベトナム人のエンジニアは使い捨てと同じである。やる人はやるし、やらない人はやらない。彼らはお金を稼ぐために働くという明確な主張がある。ならば、会社もそれに合わせて管理と運営をするべきであり、定職率を上げない方法に翻弄されるのではなく、目標を達成できたかどうかの成果主義にシフトすることが重要なのである。


ベトナム人はとにかく考えが甘い。成長性の限界も見えてるし、オフショア開発を推進したい側も絶望の縁と戦っている。双方の理解が、うまくいくオフショア開発の近道であるのは間違いない。弊社は、ベトナム人の採用から人材育成サポート、開発体制のサポート全般を行なっている。弊社が幅広いサポートをしている背景としては、表には語られない上記のようなベトナム特有の文化を深く理解しているからである。多くの日系IT企業が上手にオフショア開発拠点を運営することを切に願う。

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